「採用代行を頼むと、結局いくらかかるのか」「複数社から見積もりを取ったものの、高いのか安いのか判断できない」。採用代行の導入を検討する人事担当者からは、こうした声が多く聞かれます。
採用代行の費用に決まった定価はなく、料金体系や任せる業務範囲、採用する雇用形態によって金額は大きく変わります。だからこそ、料金の仕組みを理解したうえで、自社の条件に近い費用相場を把握することが大切です。
本記事では、料金体系ごとの費用相場をはじめ、業務範囲・雇用形態別の目安、費用に差が出る理由や抑え方を解説します。さらに、採用単価やSNS運用との組み合わせなど、費用対効果を高める視点まで紹介するので、安さだけで選んで失敗しないための判断材料にしてください。
【目次】
1.採用代行の料金体系は主に3種類
採用代行の料金体系は、主に「月額固定型」「従量課金型」「成果報酬型」の3種類です。費用が発生するタイミングや向いている企業がそれぞれ異なるため、まずは全体像を押さえておきましょう。
| 料金体系 | 特徴 | 費用相場目安 | 向いている企業 |
| 月額固定型 | 依頼業務量にかかわらず毎月定額。予算管理がしやすい | 月額5万円〜100万円程度(最多層は月10万〜20万円) | 採用業務量が安定している企業、継続的に依頼したい企業 |
| 従量課金型 | 依頼した業務量・工数に応じて費用が変動 | 業務内容により月数万円〜数十万円 | 繁忙期のみ依頼したい企業、業務量が変動しやすい企業 |
| 成果報酬型 | 採用が決定した場合にのみ費用が発生 | 採用1名あたり60万〜120万円程度、または想定年収の10〜35%程度 | 初期費用を抑えたい企業、確実な成果に対して支払いたい企業 |
1-1.月額固定型の特徴と費用相場
月額固定型は、あらかじめ決めた業務範囲について、業務量にかかわらず毎月一定の料金を支払う料金体系です。
費用相場は月額5万〜100万円程度と幅広く、一部業務の委託なら月10万〜20万円程度、採用業務全般を任せる場合は月40万円前後からが目安です。
毎月の支出が一定のため予算管理がしやすく、定期的なレポートや改善提案を受けやすい点もメリットです。一方で、採用が決まらない月や業務量が少ない月でも費用は発生します。
また、月額内で対応できる業務量や稼働時間に上限があるケースも多いため、上限を超えた場合の追加料金も契約前に確認しておきましょう。
1-2.従量課金型の特徴と費用相場
従量課金型は、依頼した業務の量や工数に応じて費用が変動する料金体系です。スカウトメール1通1,000〜2,000円、媒体管理が月5万〜20万円、応募者対応が月2万〜10万円など、業務ごとに単価が設定されています。
必要な業務だけをピンポイントで依頼できるため、繁忙期のみ外部の手を借りたい企業や、特定の工程に負担が集中している企業に向いています。ただし、応募数の増加などで業務量が膨らむと、想定以上に費用がかさむ点には注意が必要です。
1-3.成果報酬型の特徴と費用相場
成果報酬型は、採用決定など事前に定めた成果が出た場合にのみ費用が発生する料金体系です。費用相場は採用1名あたり60万〜120万円程度、または想定年収の10〜35%程度です。
成果が出るまで費用がかからないため、初期費用を抑えたい企業でも導入しやすいでしょう。
ただし、1名あたりの単価は高めで、採用人数が増えるほど総額は膨らみます。
また、応募数や面接設定数を成果とする契約では、数を満たすことが優先され、求める人物像と異なる応募が増えるおそれもあります。「何を成果とするか」の定義は、契約前に必ず確認してください。
2.採用代行の費用相場は業務範囲によって変わる
採用代行の費用は、どの業務をどこまで任せるかによって大きく変わります。依頼範囲ごとの費用相場の目安は以下のとおりです。
| 依頼範囲 | 依頼できる主な業務 | 費用相場目安 |
| 一部業務のみ依頼 | 母集団形成、応募者対応、面接日程調整など一部工程 | 月額10万円台〜30万円程度 |
| 採用業務を丸ごと依頼 | 採用計画立案から募集、選考、内定フォローまで一気通貫 | 月額40万円〜80万円程度 |
2-1.一部業務を依頼する場合の費用相場
スカウト配信や応募者対応、面接日程調整など、一部の工程だけを依頼する場合の費用相場は月額10万円台〜30万円程度です。
工程ごとに見ると、スカウトメール送信は1通300〜800円、面接日程調整は月額5万〜15万円程度が目安となります。
採用担当者の時間を最も圧迫している業務から切り出せば、少ない費用で負担を軽くできます。
ただし、採用代行の価格は「担当者の時給×想定工数」で決まることが多く、安いプランほど稼働時間が短く設定されているケースもあります。見積もりの段階で、月額内で対応できる業務量を確認しておきましょう。
2-2.採用業務を丸ごと依頼する場合の費用相場
採用計画の立案から募集、選考、内定者フォローまでを一気通貫で依頼する場合の費用相場は、月額40万〜80万円程度です。
年間50名以上の大規模採用や、月800通を超えるスカウト配信など工数の多い支援では、月額100万円を超えるケースもあります。
丸ごと任せることで、採用戦略と実務に一貫性を持たせやすい点がメリットです。一方、社内に採用ノウハウが残りにくくなるため、定例ミーティングやレポートの内容まで確認したうえで契約しましょう。
3.採用代行の費用相場は雇用形態でも変わる
採用代行の費用は、採用したい人材の雇用形態や職種によっても変わります。雇用形態ごとに採用難易度や必要な業務が異なるためです。主な目安は以下のとおりです。
| 雇用形態 | 費用相場目安 | 補足 |
| 正社員 | 月額20万円〜50万円程度、または成果報酬型で理論年収の30%前後 | 専門職・管理職は相場が上振れしやすい |
| 契約社員 | 月額15万円〜30万円程度 | 正社員採用より業務範囲が限定されやすい |
| アルバイト・パート | 月額10万円〜20万円程度 | 採用単価は低いが応募対応の工数がかさみやすい |
| 専門職・エンジニア職 | 月額30万円〜60万円程度、または成果報酬型で理論年収の30〜35% | 採用難易度が高く相場も高め |
3-1.正社員採用を依頼する場合の費用相場
正社員採用の費用相場は月額20万〜50万円程度です。
新卒採用は説明会や内定者フォローなど特定の時期に業務が集中しやすく、中途採用は候補者の経歴に合わせたスカウトや選考が中心になるなど、同じ正社員でも必要な業務は異なります。
特にエンジニアなどの専門職は、媒体上の候補者数自体が少なく、1名の採用にかかる工数が増えるため相場が高くなりがちです。また、同じ職種でも要件を絞り込むほど難易度は上がります。
見積もりを依頼する際は「どの職種を何名、どんな要件で採用したいか」まで具体的に伝えましょう。
3-2.アルバイトやパート採用を依頼する場合の費用相場
アルバイト・パート採用の費用相場は月額10万〜20万円程度と、正社員採用に比べて低めです。求める条件が比較的明確で、選考の工程も少ないことが主な理由です。
一方で、応募数が多くなりやすく、問い合わせ対応や面接日程の調整といった工数はかさみがちです。季節によって採用ニーズが変動する業種であれば、繁忙期だけ依頼したり、従量課金型で必要な業務だけを任せたりすると、費用を抑えやすくなります。
4.採用代行の費用に差が出る理由
同じ採用代行でも、会社によって月10万円の見積もりもあれば月50万円を超える見積もりもあります。この価格差は、主に次の3つの要因から生まれます。
4-1.依頼範囲の広さ
費用を大きく左右するのが、依頼する業務の範囲と量です。スカウト送信のみか、書類選考や日程調整、分析・改善まで含むかによって委託範囲そのものが変わります。さらに、月あたりのスカウト通数や運用する媒体数、同時に採用する職種数が増えるほど工数は積み上がります。
また、求人記事や採用ピッチ資料などの制作物が月額に含まれるかどうかも会社ごとに異なります。一見安いプランでも、制作物がすべて別料金になっているケースがあるため注意しましょう。
4-2.職種の採用難易度
採用したい職種の難易度も、費用に影響する要因です。エンジニアや施工管理などの専門職、管理職クラスは候補者の数自体が少なく、1名の採用に必要なスカウト数や選考の工数が増えます。
同じ営業職でも「法人向けソリューション営業の経験者」のように要件を絞り込むと、母集団は一気に小さくなります。職種名だけでなく要件の細かさが、難易度と金額を左右します。
4-3.サポート体制や対応スピード
担当者の専門性や支援体制の手厚さによっても、費用は変わります。担当者1名で対応するのか、複数名のチームで動くのか、月に何時間稼働するのかによって価格は異なります。
また、定例ミーティングの頻度や応募者へのレスポンス速度、土日・夜間の対応可否なども費用に反映されやすい項目です。月額だけでなく「その金額で、誰が何時間動くのか」をあわせて比較しましょう。
5.採用代行の費用を抑える方法
採用代行の費用は、依頼の仕方を工夫するだけでも抑えられます。ここでは、すぐに実践できる3つの方法を紹介します。
5-1.依頼範囲を絞り込む
まずは自社の採用プロセスを洗い出し、「自社で対応できる業務」と「外部に任せたい業務」を切り分けましょう。応募者対応や面接日程の調整など、定型的で工数のかかる業務は外注の効果が出やすい領域です。一方、最終面接や合否の判断は自社で担うのが基本です。
いきなり全業務を任せるのではなく、負担の大きい業務から小さく始め、効果を見ながら段階的に範囲を広げると、無駄な費用をかけずに済みます。
5-2.複数社から見積もりを取る
採用代行の料金設定は会社によって大きく異なるため、2〜3社以上から見積もりを取るのがおすすめです。比較の際は、同じ業務範囲・業務量の条件で依頼すると差がわかりやすくなります。
月額だけでなく、初期費用や最低契約期間、追加費用が発生する条件まで確認し、「初期費用+月額×契約月数」の総額で比べましょう。
5-3.料金体系を業務内容で選ぶ
依頼する業務内容や採用計画に合わせて、料金体系を選ぶことも大切です。採用業務を継続的に任せたいなら月額固定型、特定の業務だけを依頼したいなら従量課金型、採用人数が少ないなら成果報酬型が候補になります。
たとえば、年間で複数名を採用する場合は、採用人数が増えても総額が変わらない月額固定型のほうが、1名あたりの費用を抑えやすくなります。自社の採用予定人数をもとに試算して選びましょう。
6.採用代行の費用対効果を高める視点
採用代行は、月額の安さだけで判断すると本来の効果を見落としがちです。ここでは、支払った費用に見合う成果が得られているかを判断し、さらに成果を高めるための視点を紹介します。
6-1.採用単価で効果を測る考え方
採用代行の費用対効果は、月額ではなく「採用単価(採用にかかった総費用÷採用人数)」で測るのがおすすめです。
たとえば、月額30万円の採用代行を6ヶ月利用した場合、総額は180万円です。この期間に3名を採用できれば、採用単価は1名あたり60万円になります。一方、理論年収500万円の人材を紹介手数料35%の人材紹介で採用すると、1名あたり175万円かかります。月額固定型は採用人数が増えるほど採用単価が下がるため、複数名を採用する計画であれば費用対効果は高くなります。
さらに、採用担当者の工数削減や、採用が遅れた場合の機会損失まで含めて考えると、より実態に近い判断ができます。
6-2.SNS運用と組み合わせて母集団を広げる方法
採用代行の費用対効果をさらに高めるには、採用チャネルを広げて母集団の質と量を底上げすることが大切です。そこで有効なのが、SNS運用との組み合わせです。
ある調査では、求職者の情報収集手段として求人サイト(37.8%)よりSNS(44.2%)が上回っています。SNSで社員インタビューや職場の様子を発信し続けることで、転職を考えていない潜在層にも自社を知ってもらえます。
Marlでは、採用代行(RPO)に加えて採用特化型のSNS運用代行も提供しており、企画・撮影から投稿、効果分析までを一貫して支援しています。建設業界の企業では、現場社員の動画投稿で176万回再生、初月で1,200人のフォロワーを獲得した事例もあります。SNSで広げた母集団への応募者対応まで任せられるため、チャネルを増やしても社内の負担を増やさずに済みます。
7.採用代行選びは料金以外の視点も大切
ここまで採用代行の費用相場を解説してきましたが、料金はあくまで選定基準の一つに過ぎません。安さだけで選んだ結果、求める人材とのミスマッチが起きたり、期待した成果が得られなかったりしては、かえってコストがかさんでしまいます。
採用代行を選ぶ際は、料金とあわせて、自社の業界や職種での支援実績、定例ミーティングやレポートなどの報告体制、情報セキュリティへの対策なども確認しておくことが大切です。
採用代行会社の選び方や比較のポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
8.採用代行の費用に関するよくある質問
最後に、採用代行の費用に関してよく寄せられる質問にお答えします。
8-1.Q. 採用代行の初期費用はいくらかかりますか?
A. 初期費用は10万円前後が一つの目安です。初期費用には、業務フローの設計や求人媒体のアカウント設定、求人票・スカウト文面の初期作成などが含まれることが多く、最初に準備する量が多いほど高くなります。初期費用0円のサービスもあるため、月額費用とあわせて確認し、総額で比較しましょう。
8-2.Q. 採用代行の契約期間に縛りはありますか?
A. 多くのサービスで最低契約期間が設けられており、1ヶ月から契約できるものもあれば、3ヶ月〜6ヶ月以上を条件とするものもあります。スカウトの返信率や選考基準の改善には数ヶ月かかることが多いため、効果まで見極めるなら6ヶ月程度が目安です。中途解約時の違約金の有無も、契約前に確認しておきましょう。
8-3.Q. 採用代行で追加費用が発生するケースはありますか?
A. あります。代表的なのは、スカウト通数や面接件数が契約時の想定を超えた場合や、採用ピッチ資料・求人記事などの制作物を追加で依頼した場合です。また、求人媒体の掲載費や土日・夜間の対応費が別途かかることもあります。追加費用が発生する条件と単価は、見積もりの段階で必ず確認してください。
9.まとめ
採用代行の料金体系は、月額固定型・従量課金型・成果報酬型の3種類です。それぞれ費用が発生するタイミングや向いている企業が異なるため、自社の採用計画に合った料金体系を選ぶことが大切です。
また、費用相場は依頼する業務範囲や雇用形態、職種の採用難易度によって大きく変動します。見積もりを比較する際は月額だけで判断せず、初期費用や追加費用の条件を含めた総額で比べましょう。
さらに、採用単価やチャネル拡大による成果まで含めて費用対効果を見極めることで、安さだけで選んで失敗するリスクを防げます。料金の仕組みを正しく理解したうえで、自社に最適な採用代行を選んでください。
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この記事を書いた人
- 2026年10月21日すべて採用代行の料金体系と費用相場をまるごと解説
- 2026年10月20日すべて採用代行の比較ポイントと失敗しない選び方を解説
- 2026年9月16日すべて採用代行とRPOは違う?導入すべき企業の特徴や人材紹介等との違いも解説
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